最高のスタートだ。
苦手・名古屋とのアウェイ開幕戦。
しかも30分以上を10人で戦いながら、1-0で逃げ切った。
👉「これは単なる勝利ではない。」
昨季までの清水なら、追いつかれていたかもしれない。
だが、この日の清水は違った。
苦しい時間を全員で耐え抜き、勝点3を持ち帰った。
前半:狙い通りのハイプレス。新加入選手が早くも結果を出す
立ち上がりは名古屋ペースだった。
右サイドの裏を何度も使われ、バイタルエリアにも相手を自由に立たせる場面が続く。
決して楽な入りではなかった。
しかし、給水タイムを境に流れが変わる。
前線からのプレスが噛み合い始めると、清水らしい鋭いカウンターが次々と発動。
今季の補強で目指す「縦に速いサッカー」がはっきり見え始めた。
そして38分。
相手GKのキックミスを見逃さなかった。
ディエギーニョが回収し、素早く展開。
藤井智也が迷わずクロスを送り、中央にはセフンとジャーメインが構える。
相手DFの意識が中央へ集まった隙に、ファーでフリーになった北川航也が冷静に流し込み、開幕ゴールを決めた。
まさに狙い通りの形だった。
藤井も試合後に「見なくても航也くんがいると思った」と語り、北川も「練習から何度もあった形」と振り返った。
偶然ではない。
積み重ねてきた攻撃が、開幕戦でいきなり結果につながった。
攻撃の迫力と引き換えに見えた課題
前半は良い内容だった一方で、不安も残った。
ジャーメインが高い位置を取ることで、4-2-4のような形になる時間帯も多かった。
その結果、中盤が空き、前からプレスに行けずズルズルと後退する場面も。
名古屋にサイドチェンジを使われ、右サイドの裏やバイタルを使われるシーンも少なくなかった。
攻撃力は確実に増した。
しかし、その代償として守備バランスにはまだ改善の余地がある。
この形を続けるなら、追加点を奪って押し切る強さも必要になってくるだろう。
とはいえ、この試合のディエギーニョはまだ本来の姿ではない。
実はコンディション不良により、火曜日まで練習を離脱していたという。
それでも開幕戦に先発し、攻守のつなぎ役として存在感を見せた。
大事なのでもう一度。
👉ディエギーニョは、もっと良くなります。
試合を変えた退場。それでも崩れなかった
後半最大の出来事は、セフンの退場だった。
イエローカードを受けた直後、判定への拍手で2枚目。
非常にもったいないレッドカードだった。
吉田監督も「あれは絶対にやってはいけないプレー」と厳しく指摘した。
30分以上を10人で戦うことになり、試合は一気に難しくなる。
しかし、この日の清水は慌てなかった。
5バックへ素早く移行。
守備を整理し、中央を締めながら、カウンター一本に狙いを絞る。
むしろ割り切れたことで、選手全員のやるべきことが明確になった印象すらあった。
最後まで誰一人として足を止めなかった。
「守って、守って、カウンター。」
その覚悟が、ピッチ全体から伝わってきた。
梅田透吾が示した守護神の存在感
逃げ切れた最大の要因は梅田透吾だった。
名古屋の猛攻を何度もストップ。
特に終盤のヘディングシュートを止めた場面は、この試合最大のビッグセーブだった。
データも圧巻だ。
今節は6セーブ。
さらにファイナルサードへのパス18本はいずれもJ1全GK最多。
ゴールを守るだけではなく、攻撃の起点としても機能した。
梅田自身も「ゼロで終わることだけを考えていた」と語ったが、その言葉どおりのパフォーマンスだった。
まさに勝点3をもたらした立役者の一人である。
勝点3以上の価値がある開幕戦
苦手だった名古屋。
アウェイ。
そして30分以上の数的不利。
これだけ条件が揃えば、多くのチームは勝点1で十分と考えるだろう。
それでも清水は勝ち切った。
もちろん課題はある。
右サイドの守備、中盤のスペース、そしてセフンの退場。
改善すべき点は決して少なくない。
それでも、この90分で得られたものは確かにある。
吉田監督が語るように、シーズンは勢いが重要だ。
苦しい試合を全員で耐え抜き、勝点3を持ち帰った経験は、これから必ずチームの財産になる。
👉「10人でも勝ち切れるチーム」
そんな可能性を示した開幕戦だった。
タイトルを目指すシーズン。
その第一歩としては、これ以上ないスタートだった。
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