清水エスパルス 対 ツエーゲン金沢 試合レビュー|「前半2対10」から何が変わった? ルヴァンカップ 2026/27 2回戦

試合前、吉田監督が求めていたのは明確でした。

「内容よりも次に進むことが大切」

その意味では、ミッション達成です。

ルヴァンカップ初戦、アウェイでツエーゲン金沢に2-0で勝利。

ただし、スコアだけではこの試合は語れません。

前半のシュート数は、清水2本に対して金沢10本。

3点、4点奪われてもおかしくなかった前半から、後半はまったく逆の展開へ。

苦しみながらも90分の中で試合を変え、次のラウンドへ進みました。


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前半|いつ失点してもおかしくなかった45分

立ち上がりから、完全に金沢のペースでした。

4分、右サイドからのクロスを本多がゴール前でクリア。

5分にはCKの流れからパトリックに押し込まれますが、ファウルの判定でノーゴール。

さらに6分、右サイドを抜け出したパトリックと沖が1対1。

ここは沖が片手でセーブします。

清水も12分、平戸のスルーパスから松崎が抜け出し、クロスのこぼれ球をブルネッティがミドルで狙います。

しかし、その直後には再び金沢の速い攻撃。

ここも沖が止め、失点を許しません。

開始20分までに、金沢には4、5回の決定機。

いつ失点してもおかしくない展開でした。

26分には清水もカウンター。

松崎が右サイドを突破し、グラウンダーのクロス。逆サイドから走り込んだ井上が振り抜きますが、枠を捉えられません。

30分以降は少し落ち着いたものの、前半のシュート数は、

清水 2-10 金沢。

吉田監督も試合後、「3点、4点と入れられてもおかしくなかった」と振り返っています。

慣れないスタジアムや柔らかいピッチの影響もあったでしょう。

ただ、それ以上に大きかったのが、球際とセカンドボールで後手を踏んだこと。

攻撃でも足元へのパスが増え、背後へのアクションが少ない。

金沢からすれば、迷わず前からプレスをかけられる状況でした。

北川も「セカンドボールに対するアラートさは相手のほうが上だった」とコメント。

0-0で前半を終えられたこと自体が、この試合最初の大きなポイントでした。


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後半|シュート数が「10対2」に逆転

ハーフタイム、吉田監督は戦術面を修正すると同時に、選手たちに「喝」を入れたと話しています。

その効果は、すぐにピッチへ表れました。

前半とは逆に、清水が前へ出ます。

47分、ブルネッティのクロスに木下が詰めるもオフサイド。

50分には松崎が持ち込み、左足でシュート。

さらにCKを連続して獲得します。

そして、このセットプレーにも変化が見えました。

平戸のキックに、味方が合わせられる。

直接ゴールにはつながらなくても、これまでより明らかに期待感があります。

後半は球際でも負けなくなり、セカンドボールを回収。

背後へのアクションも増え、前半は金沢に向いていた試合のベクトルが、清水側へ変わりました。

それは数字にもはっきり表れています。

後半のシュート数は、清水10本、金沢2本。

前半の「2対10」が、後半はそのまま「10対2」にひっくり返りました。


60分|松崎快、2試合連続ゴール

試合を動かしたのは、またしても松崎でした。

左から井上のクロスに木下が潰れ、平戸が横へ。

弓場から須貝へつなぎ、最後は松崎がダイレクトで振り抜きます。

ゴーーーーール!

苦しかった試合で、欲しかった先制点を奪いました。

吉田監督は松崎に対して、ゴール前へ入ることを繰り返し求めていると話しています。

その意識が、結果にもつながってきました。

そして最近の松崎を見ていると、もう一つ考えたくなることがあります。

平戸加入の大きな効果は、プレイスキックの質だけではないのかもしれません。

実力のある選手が加わり、ポジション争いは激しくなりました。

それが松崎にこれまで以上の危機感を与え、パフォーマンスを押し上げている可能性もあります。

もちろん、それが直接の理由かは分かりません。

ただ、この日の松崎は先制点だけでは終わりませんでした。


平戸と松崎。「競争」だけではない関係

もう一つ面白かったのが、平戸と松崎の関係です。

この2人はポジションを争う存在でありながら、この日は同時にピッチへ立ちました。

12分には、平戸のスルーパスから松崎が抜け出してチャンス。

先制点の場面でも、平戸から始まったボールが弓場、須貝とつながり、最後は松崎が仕留めています。

平戸は松崎のポジションを脅かす存在であると同時に、一緒に出れば松崎の良さを引き出せる存在にもなりそうです。

競争によって個々のパフォーマンスを引き上げ、同時起用では攻撃の選択肢を増やす。

平戸加入の効果は、想像していたより大きいかもしれません。


北川復帰弾。そして松崎は1ゴール1アシスト

73分、平戸と井上に代わり、北川と藤井が入ります。

すると76分。

藤井のクロスに北川が頭で合わせますが、GKがセーブ。

それでも北川は、次のチャンスを逃しませんでした。

88分。

松崎が左サイドからクロス。

そこへ北川が入り、今度はドンピシャのヘディング。

2-0。

千葉戦で復帰した北川にとって、早くも復帰後初ゴールとなりました。

北川自身が「ペナルティエリアでの仕事」を自分に求められている役割として挙げています。

1本目を止められても、もう一度同じ場所へ入る。

ストライカーらしい一発でした。

そしてクロスを送った松崎は、これで1ゴール1アシスト。

右ウイングでもインサイドハーフでも、自分の武器を結果につなげています。


沖がつないだ「0」が、後半の2点につながった

攻撃陣と同じくらい触れておきたいのが、沖です。

特に前半。

清水が試合を変えられるところまで生き残れたのは、沖のセーブがあったからです。

1対1を止め、その後の決定機もセーブ。

本多ら最終ラインとともに、金沢の猛攻を無失点で耐えました。

北川も、

「そこをゼロで抑えられたからこその勝利」

と振り返っています。

前半に1点でも入っていれば、まったく違う試合になっていた可能性があります。

後半の松崎と北川のゴールだけでなく、前半の沖のセーブも、この勝利を決めたプレーでした。


内容には課題。それでも「次へ進む」は達成

最終スコアは2-0。

しかし、カテゴリーだけを見て「順当勝ち」と片付けられる内容ではありませんでした。

アウェイとはいえ、相手は中2日のJ3。

清水は中9日のJ1です。

それでも前半は圧倒され、球際、セカンドボール、背後へのアクションなど、リーグ戦にもつながる課題を突きつけられました。

一方で、その悪い45分を引きずらなかったことは評価できます。

前半のシュート数は2対10。

後半は10対2。

ハーフタイムを境に、数字まできれいに逆転しました。

そして松崎が決め、復帰した北川も決めた。

何より、沖を中心に苦しい時間を耐えて無失点で終えました。

試合前、吉田監督が求めていたのは「内容」より「次に進むこと」。

課題はたくさん残りました。

それでもトーナメントで必要なのは、まず勝つこと。

2-0。清水は苦しみながらもルヴァンカップ初戦を突破し、次のラウンドへ進みます。


次戦に向けて

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