清水エスパルス 対 横浜F・マリノス 試合レビュー|紙一重を分けた「小さな差」J1 2026/27 第2節

紙一重だった。

前半は横浜F・マリノスに押し込まれながらも耐え、後半は修正して流れを引き寄せた。

北川航也には何度もゴールの匂いがあり、新戦力もそれぞれの局面で持ち味を見せた。

それでも、結果は0-1。

ホーム開幕戦、19,077人が集まったアイスタで勝点をひとつも取れなかった。

悪くはなかった。

ただ――

悪くないだけでは、勝てない。

タイトルを目指すなら、こういう「どちらに転んでもおかしくない試合」を勝点に変えなければならない。

この敗戦には、今の清水に足りないものが詰まっていた。

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前半|プレスの「少しのズレ」

立ち上がりから感じたのは、

「マリノス、想像以上に手強い」

ということだった。

清水は前からプレッシャーをかける。

しかし、なかなかハマらない。

最初の寄せと後ろの連動が噛み合わず、横浜FMに外されると、そのまま全体が後退する。

吉田監督も試合後、ファーストプレスが決まらず「後ろにずるずる下がっていく」場面が多かったと振り返っている。

まさに試合を見ながら感じた「中盤のプレスの位置が不安定」という違和感だった。

前節まで最前線にいたオ セフンが出場停止となり、代わって木下康介が先発。

もちろん、これだけが原因ではない。

ただ、最初のスイッチを入れるタイミング、限定する方向、その後ろの押し上げ。

ほんの少しの違いが、チーム全体のズレにつながっていたように見えた。

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新戦力は見せた。ただ、まだ「点」の状態

それでも、すべてが悪かったわけではない。

須貝英大、藤井智也、木下康介、ジャーメイン良。

新戦力は、それぞれの局面で良さを見せた。

藤井は積極的に仕掛け、木下は前線で身体を張る。

ジャーメインはプレスバックでも存在感を見せ、須貝は右サイドから何度もボールを供給した。

20分にはジャーメインのプレスバックから敵陣で奪い、嶋本、北川、藤井とつないでフィニッシュ。

狙っていた形が出た瞬間だった。

ただ、この試合で感じたのは、

「個々ではいい。でも、まだつながっていない」

ということだ。

一人ひとりを見ると、良いプレーはある。

しかし、それが連続しない。

守備でも攻撃でも、一つ目のプレーの先に二つ目、三つ目が続かなかった。

セットプレーでも何度かチャンスを得たが、決定機にはつながらず。

嶋本自身も、こういう試合ではセットプレーが重要だとした上で、キッカーとして結果を残せなかったことを悔やんでいる。

この「点」が「線」になれば、清水はもっと怖くなる。

後半|修正。そして効き続けた北川航也

後半に入ると、試合の景色が変わった。

清水の距離感が良くなり、ボールを奪ってから前へ出る場面も増えた。

そして、その中心にいたのが北川航也だった。

54分。

ジャーメインのクロスに北川が頭で合わせるも、GKがセーブ。

66分には須貝のクロスに再び北川。

これもGKに阻まれた。

前半20分の藤井の決定機でも、北川が右サイドでボールを受けて逆サイドへ展開している。

ボールを引き出し、つなぎ、最後は自分がゴール前へ入っていく。

この日の航也は、ずっと効いていた。

だからこそ、一本欲しかった。

後半の清水は悪くない。

むしろ、勝点3を狙える流れだった。

それでも決め切れない。

「悪くはない。でも、決め手がない」

そんな時間が続いた。

78分|「一つのズレ」が勝敗を分けた

そして78分。

右サイドから折り返され、シュートを打たれる。

梅田透吾の正面だったが、パンチングがうまく当たらず失点。

0-1。

梅田は試合後、

「失点の部分に関しては完全に僕のミス」

と責任を背負った。

確かに、GKとして止めたいシュートだった。

ただ、この失点を「梅田のミス」で終わらせてしまうと、この試合の本質を見失う。

吉田監督が問題にしたのは、その前だ。

サイドでボールを持った相手への圧力が足りず、自由にボールを入れさせてしまった。

寄せる。

コースを消す。

シュートを打たせない。

一つひとつは小さなプレーだ。

しかし、その一歩が遅れれば最後はGKまで届く。

そして、GKにもミスは起こる。

一方で、清水にも得点するチャンスはあった。

0点では、GKに一度のミスも許されなくなる。

攻撃陣が一点を取っていれば。

その前でクロスを止めていれば。

最後にGKが防いでいれば。

チーム全体にあった「あと少し」が、0-1という結果になった。

紙一重。その向こう側へ

試合内容だけを見れば、悲観する必要はない。

前半の問題は後半に修正できた。

新戦力にも可能性が見え、北川は何度もゴールに迫った。

だからこそ、悔しい。

紙一重だった。

ただ、タイトルを狙うなら、それで終わってはいけない。

吉田監督も、

「最低でも勝点1は取らなければいけないし、ホームであれば勝点3は必要」

と語っている。

強いチームは、こういう五分の試合で勝点を拾う。

一歩寄せる。

一本を決める。

一度のピンチを止める。

その小さな差を勝点に変えられるか。

この日は、それができなかった。

まだ第2節。

修正する時間はある。

ただ、この敗戦を「惜しかった」で終わらせてはいけない。

もっと強くなるしかない。


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