リーグ戦3試合連続の0-1。
そして、270分無得点。
ただ、柏戦の前半を見て「そこまで悪くない」と感じた人も多かったのではないでしょうか。
実際、清水の入りは良かった。
いつもより半歩早く相手へ寄せ、ボールを奪う。選手間の距離もよく、セカンドボールも拾えていました。
それでも、試合を通して放ったシュートはわずか2本。
なぜ「悪くない」のに、これほど点が取れないのか。
柏戦には、今の清水が抱える問題が凝縮されていたように感じます。
「半歩早い」清水
立ち上がりの清水には勢いがありました。
ボールをつなぐ柏に対して前線からプレス。相手がボールを持てば素早く寄せ、パスコースを限定し、こぼれ球にも次の選手が反応する。
選手間の距離感もよく、セカンドボールを拾う場面が目立ちました。
トップチーム公式戦デビューとなった辻も、その流れに乗ります。
19分には鋭いインターセプトから一気に前進。
吉田監督も「前半から攻守にアグレッシブにやってくれた」と高く評価しました。
今の清水に欲しかった「前へ行く力」を見せた辻。
今回だけで終わらず、もう一度見たいと思わせるデビュー戦でした。
「悪くない」のに、なぜ点が取れないのか
一方、前半の清水のシュートは、CKのこぼれ球を吉田豊が狙った1本だけ。
守備は機能している。
ボールも奪えている。
セカンドボールも拾えている。
だから「悪くない」と感じます。
ただ、その先が続かない。
ボールを奪うことが、攻撃のスタートになっていませんでした。
言い換えれば、
「攻撃のための守備」になっていない。
奪った瞬間に誰が動くのか。
一気にゴールへ向かうのか、一度ボールを落ち着かせるのか。
その次の絵がチーム全体で共有されていないため、局所的には良いプレーがあっても、攻撃が連続していきません。
吉田監督も試合後、
「取ったあとのほうが大事」
と話しています。
さらに、マイボールの時間を長くすること、一気に攻めること、クロスへの入り方、3人目の動きなどを課題に挙げました。
「いい守備から、いい攻撃へ」。
今の清水に足りないのは、まさにその「から」の部分なのかもしれません。
失点後、上げられなかったギア
後半、柏は瀬川、細谷を投入。
清水は65分、本多のアクシデントもあり、住吉と木下を送り出します。
そして71分。
右サイドからのクロスに瀬川が合わせ、柏が先制。
問題はその後でした。
1点を追う清水はカピシャーバ、小泉を投入しますが、攻撃のギアを上げられません。
むしろ終盤に決定機を作ったのは柏。
梅田の好セーブやクロスバーにも救われました。
吉田監督も、
「パワーアップしなければいけないところで、終盤にパワーダウンしている」
と振り返っています。
最終的なシュート数は清水2本、柏11本。
ゴール期待値も0.81対1.76。
「惜しい0-1」で片付けるには、特に終盤の差は小さくありませんでした。
アクションする側になれているか
吉田監督が目指すのは、自分たちから仕掛けるアクションサッカーです。
柏戦では、自分たちから奪いにいくところまではできていました。
ただ、奪った後に攻撃を仕掛けられない。
その結果、相手の攻撃を止めてから自分たちが動き出す「リアクション」が増えているように感じます。
だから守備が機能すると「悪くない試合」にはなる。
でも、自分たちから試合を動かせない。
0-1。
0-1。
0-1。
270分無得点。
ここまで続けば、「あと少し」「決め切るだけ」ではありません。
柏戦で見せた前線からの守備や距離感は、間違いなく次につながるものです。
だからこそ、その守備をゴールを奪うための武器に変えたい。
奪って終わりではない。奪った瞬間こそ、攻撃の始まりです。
試合後、ゴール裏から響いたのはブーイングではなくゴールコールでした。
住吉は、その声に「鳥肌が立った」と話しています。
サポーターが待っているものは明確です。
「悪くない試合」ではなく、ゴールを。
そして、勝利を。
次もホーム、FC東京戦。
270分止まっている時計を、今度こそ動かしたいところです。
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