こんにちは、清水エスパルスサポーター30周年のえすぷれ(@ta1spulse)です。
今回は、清水エスパルスクラブ創設30周年記念クラウドファンディングについて考えてみました。
先日、湘南ベルマーレが、クラウドファウンディングで1億円達成したという記事を見ました。
湘南がクラファンで目標金額1億円を達成!「御礼申し上げます」
湘南が達成し、清水が未達の理由は何か、両チームの違いを考察してみました。
早速ですが、結論から申します。
両チームの違いは、「価値の伝え方」
考察した内容を説明します。ご覧ください。
クラウドファウンディングとは
クラウドファンディングとは、インターネットを介して自分の夢や想いを世の中へ発信し、その活動を応援したいと思ってくれた不特定多数の人々から少額ずつ資金を募る仕組みです。
自分の夢や想いを世の中へ発信する。素晴らしいことだと思います。
その想いに共感して投資する。いい仕組みです。
清水、湘南のクラウドファウンディングについて
清水と、湘南のクラウドファウンディングの概要についてまとめました。
チーム | 清水 | 湘南 |
タイトル | 「清水エスパルス創設30周年をファミリーみんなで作り上げる #spulse30th」 | #I BELIEVE 必ず乗り越え、次のステージへ。 |
主体者 | 清水エスパルス | 株式会社湘南ベルマーレ |
目標金額 | 7,000 万円 | 1億円 |
募集期間 | 2022年1月22日(土)10:00 ~ 2022年3月21日(祝月) 23:59 | 2022年1月29日(土)14:00 ~ 2月27日(日)23:00 |
形式 | ALL-IN 形式 | ALL-IN形式 |
資金使途 | クラブ創設30周年記念事業実施に伴う費用として大切に使用させていただきます。 | チーム強化費及びクラブ運営費 |
似たような感じだけど、目標金額と期間は違うね。
資金使途も違います。
はい、一番の大きい違いは、資金使途、つまり今回のクラウドファウンディングの目的、ビジョンが違います。
どっちも、クラブの費用補填として使うんだろ。
使途は「費用補填」なんですが、支援に対する対価=価値がポイントになります。
両チームの決定的な違い
先に述べたように、両チームの決定的な違いは、「価値の伝え方」です。
価値は、人を動かすために大変重要なものになります。
人は、自分が価値があると認識しているものにしか、行動しません。
例えば、1円が落ちていても拾いませんが、1万円が落ちていたらどうでしょうか。
拾うと思う。
それはなぜか。人は、1万円が「価値のあるもの」と認識しているからです。
では、今回の資金使途について考えてみます。
清水は、「クラブ創設30周年記念事業実施に伴う費用」です。
湘南は、「チーム強化費及びクラブ運営費」です。
だから、費用は一緒だろ?
構造化して考えてみましょう。
- 清水エスパルス
- クラブ創設30周年記念事業 ← ココ
- 株式会社湘南ベルマーレ ← ココ
「周年記念事業費」と「強化費および運営費」の違いですね。
はい、この違いによって価値が変わります!
端的にいえば、「周年行事」はイベント費用ですが、「強化費および運営費」はクラブ存続に関わる活動費用になります。
「イベントを盛り上げる」という価値と、「クラブを存続させる」という価値の違いによって、支援者に大きな違いが生まれました。
身元のわかる犠牲者効果
余談ですが、もう一つ気になる点があります。それは、「身元のわかる犠牲者効果」です。
身元? 犠牲者?
はい、以前「認知バイアス辞典」という本を読んで知った、社会心理学の一つの理論です。
「認知バイアス辞典」の感想記事はこちらまで。
特定の個人を例として示すと高い共感や関心を示すが、示されたものが人数や割合だと共感や関心が低くなる現象のこと。
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 情報文化研究所/高橋 昌一郎 フォレスト出版 2021年04月12日頃
わかったような、わからないような
たとえば、寄付を募る2つの文章があります。あなたはどちらに共感しますか。
「難病にかかっている◯◯さんという子供がいる。つい最近、その病気に対して画期的な治療法が開発された。しかし、その治療を受けるためには莫大な医療費がかかる。○○さんが治療を受けられるように、寄付に協力してほしい」
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 情報文化研究所/高橋 昌一郎 フォレスト出版 2021年04月12日頃
「全世界で、○万人の子供がこの病気で苦しんでいる。つい最近、その病気に対して画期的な治療法が開発された。しかし、その治療を受けるためには莫大な医療費がかかる。子供たちが治療を受けられるように、寄付に協力してほしい」
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 情報文化研究所/高橋 昌一郎 フォレスト出版 2021年04月12日頃
なんとなく○○さんを助けたくなるなぁ。
はい、このように個人が特定できるほうが寄付を受けやすいということがわかっています。これを身元のわかる犠牲者効果と呼んでいます。
この結果は、相手の顔や名前、その他の詳しい状況を知ることが寄付を促進することを示している。
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 情報文化研究所/高橋 昌一郎 フォレスト出版 2021年04月12日頃
なんでだろう?
それは、以下のようにまとめられています。
この効果は、自分1人が行動を起こすことで、相手を確実に救えるかどうかが重要になる。自分だけが頑張ったところでどうにもならないと思えば、行動は起こらないのである。
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 情報文化研究所/高橋 昌一郎 フォレスト出版 2021年04月12日頃
ちなみに、ユニセフ(国連児童基金)の募金ページの画像がこちらになります。
1人の子どもがアップで写り、「身元がわかる」イメージが掲載されています。
なるほど〜、この子に募金しているように感じるな。
前段がながくなりましたが、ここでもう一度両チームの主体者を比較してみます。
チーム | 清水 | 湘南 |
主体者 | 清水エスパルス | 株式会社湘南ベルマーレ |
似て非なりということが、お分かりでしょうか。
清水エスパルスは、チーム名、総称を意味し、株式会社湘南ベルマーレは、一法人を意味します。
はい、まさに身元のわかる犠牲者効果になりますね。
最後に
人は、普段は気づかないような些細な違いでも、その違いを感じ、行動しています。
人には、そのような心のクセがあるという話をさせていただきました。
けして、清水エスパルスのビジョンが悪いわけではありません。
みんなで30周年を盛り上げていこうというビジョンに多くの人が賛同しています。
ただ、それとはまた違った考え、感じ方があるということをまとめてみました。
これからも自分の考えや想いをこのブログで発信していきます。また見に来てください。
追記
2022/3/21 清水エスパルスのクラウドファウンディングが、目標金額7,000万円を達成し、8,000万円を越えました。おめでとうございます。
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