1-1、そしてPK戦勝利。
ホームでの連敗を止めたという意味では、間違いなく“価値ある勝利”だ。
しかし内容に目を向けると、手放しでは喜べない。
この試合は、今の清水の現在地と課題がそのまま表れた90分だった。

■ 前半:主導権は握るも、セットプレーで失点
立ち上がりから清水は積極的だった。
宇野のミドルシュート、中原の詰め、北爪の抜け出し。
前線からの連動したプレスも機能し、試合の主導権は明らかに清水。
守備時は4-2-4気味の形で前から圧力をかけ、
相手に自由を与えない時間帯が続いた。
実際、吉田監督も試合後にこう語っている。
「前半はそこまで悪くなかった。狙いは悪くないが、少し噛み合っていなかった」
問題は、その“あと一歩”。
- オフサイドでチャンスが潰れる
- パスのズレで攻撃が途切れる
- 決定機の質が上がらない
そして迎えたセットプレー。

CKからの混戦。
ゴール前での競り合いから押し込まれ失点。
ファールの可能性も含めて難しい判定ではあったが、
それ以前に跳ね返し切れない守備の弱さが露呈した。
■ 後半:変化は出るも、やはり“決め切れない”
後半、流れを変えたのは交代策。

カピシャーバ投入で左サイドに変化が生まれる。
「幅と奥行きを使う中で、クロスを増やしたかった」(吉田監督)
この狙い通り、
- 嶋本の仕掛け
- カピシャーバのドリブル
- ブルネッティの前進
左サイドからの攻撃に厚みが出てくる。
さらにアフメドフ投入で前線にも変化。
この日のアフメドフは明らかに“違い”を見せた。
「チームを助けようと思って入った」
競り合い、収まり、そしてゴール前での強さ。
そして迎えた終盤。
ペナルティエリア内で仕掛けたアフメドフが倒されPK獲得。
「自分としてはPKかなと思っていた」

これをブエノが冷静に決め、土壇場で同点。
ただ、それでも90分で勝ち切れなかった事実は重い。
■ PK戦:沖が流れを引き寄せる
PK戦では沖が存在感を見せる。
急遽の途中出場ながら落ち着いた対応。

そしてセーブ。
「気負うことなく楽しみながらプレーできた」
日々の積み重ねが、この一瞬に繋がった。
結果として、チームはPK戦を制し勝利。

“勝点2”をもぎ取った。
■ 試合の本質:見えている課題は3つ
この試合、ポジティブな要素は確かにある。
- ハイプレスは機能
- 試合の主導権は握れている
- 交代選手が流れを変えた
しかし、それ以上に明確な課題も見えた。
① 決定力不足(最大の問題)
中原の決定機。
カウンターからのチャンス。
ここを決めていれば試合は変わっていた。
“決めるべき場面で決められない”
この問題は今季を通して継続している。
② 崩しの再現性が低い
プレスで奪うまでは良い。
しかしその後、
- 個人頼みの仕掛け
- 単発のクロス
- 連動の少なさ
吉田監督も言及した通り、
「幅、コンビネーション、クロス」
この精度と回数を上げない限り、得点は増えない。
③ セットプレー守備の不安
ゾーン守備の中での競り合い。
セカンドボール対応。
この試合でも失点。
“分かっていても改善できていない”課題になりつつある。
■ 収穫:チームの“底上げ”は見えた
一方で、ポジティブな材料もはっきりしている。
- アフメドフの戦力化
- カピシャーバの存在感
- 沖の台頭
特にアフメドフは大きい。
外国籍枠の競争は激しいが、
前線の新たな軸になり得る存在だ。
■ まとめ:勝ったが、“変わる必要がある”
PK戦での勝利。
ホームで連敗ストップ。
結果としては前進。
しかし――
これは“内容で勝った試合”ではない。
「勝点3を取らなければいけないゲームだった」(吉田監督)
まさにその通り。
次節・福岡戦。
求められるのは、
- 内容でも上回ること
- 決定機を仕留めること
- 守備の隙を減らすこと
“勝っただけのチーム”から抜け出せるか。
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