清水エスパルス 対 川崎フロンターレ 試合レビュー| 雨の国立、敗戦の中に何があったのか J1 2026/27 第6節

開始早々の失点。

前半の退場。

10人で追いついた同点弾。

そして、終盤の2失点。

結果は1-3。

川崎フロンターレの強さを感じた試合でした。

それでも、単純に「完敗」の一言では片付けたくありません。

大雨の国立で見えたのは、今季でもっとも攻撃に可能性を感じた時間と、10人でもゴールを目指す姿勢でした。

勝敗だけでは評価しにくい。

そんな90分を振り返ります。


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開始1分、いきなり変わったゲームプラン

試合開始からわずか25秒。

持山に角度のない位置から豪快に決められ、いきなり追いかける展開となりました。

シュート自体はゴラッソ。

ただ、吉田監督も「試合の入りは良くなかった」と振り返ったように、
その前段階では川崎にセカンドボールを拾われています。

その後も川崎に押し込まれましたが、20分を過ぎると流れが変わります。

高い位置でボールを奪えるようになり、29分には嶋本のインターセプトから木下が決定的なヘディングシュート。

この日は後方からつなぎながら、縦パスとサイド攻撃を組み合わせる場面が増えました。

少なくとも攻撃のリズムは、今季ここまでで一番良く見えました。

だからこそ、次の出来事が痛かった。


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流れを断ち切った住吉の退場

前半終盤。

自陣からつなごうとした弓場のパスが短くなり、紺野に狙われます。

住吉が対応しますが、一歩遅れ、DOGSOで一発退場。

清水は1点ビハインドに加え、残り約50分を10人で戦うことになりました。

雨でボールが止まりやすいピッチ。
それでも、つなぐことを選択した末のミスでした。

吉田監督はこの場面について、

「そこだけを責めてしまうと次に繋がらない」

とコメントしています。

もちろん、状況に応じてプレーを変える判断は必要です。

一方で、ミスを恐れてロングボールだけに戻れば、チームとして目指しているものも失ってしまう。

この退場は痛恨でしたが、「つなぐことをやめる理由」にしてはいけないミスだったと思います。


10人でも、追いつきにいった

退場後、清水は松崎を下げてスンウクを投入。
木下とジャーメインを残しました。

10人だから守るのではなく、まだ追いつきにいく。

その姿勢は後半も変わりません。

川崎にボールを握られ、後半開始直後には橘田のシュートがポストを直撃。

苦しい時間が続きます。

それでも57分、清水は一気に3枚を交代。
セフン、井上、ブルネッティを投入します。

特に変化を生んだのが、今季初出場の井上でした。

左サイドでボールを運び、仕掛ける。

60分には中へ切れ込み、ジャーメインのヘディングシュートにつながるクロスを供給しました。

一人少ないはずなのに、清水がゴールへ近づいていきます。

そして68分。
CKのセフンのシュートのこぼれ球をスンウクが折り返したボールが相手のハンドを誘い、PKを獲得。

キッカーはセフン。

大雨の国立、オレンジサポーターの目の前で冷静に流し込みました。

1-1。

10人になっても耐えるだけではなく、本当に追いついた。

この日の清水で、もっとも心を揺さぶられた瞬間でした。


3失点に共通した「その直前」

ただ、試合を決めたのはその9分後でした。

77分。

自陣でセフンがボールを失い、川崎の選手と接触。

ファウルにも見えましたが、笛は鳴りません。

清水の選手たちの足が一瞬止まったところを、マルシーニョに仕留められました。

吉田監督も、

「レフェリーが笛を吹くまで足を止めてはいけない」

と振り返っています。

判定について言いたいことはあります。

ただ、それとプレーを止めてしまったことは別の話。

セルフジャッジが痛恨の失点につながりました。

さらに90分。

今度はジャーメインのボールコントロールが乱れたところを奪われ、再びマルシーニョ。

1-3。

振り返ると、この日の3失点には共通点があります。

ゴールを決められる直前に、清水側のボール処理や対応のミスがあったことです。

そこを見逃さず、一気にゴールまで持っていく。

個人で相手を剥がす力も含め、川崎の質は高かった。

19対8というシュート数を見ても、試合全体では川崎が上回っていたと思います。

ただ、その差は単純な『3-1』以上に、一つのミスを得点までつなげられるかという部分に表れていました。


「質なのか、戦術なのか」

もう一つ、気になったのがジャーメインのコメントです。

清水はここ数試合、ボールを持ち、相手を押し込む時間を作りながら得点につなげられない試合が続いています。

ジャーメインは試合後、

「そこは質なのか戦術的なところなのか」

と話しました。

この一言は少し気になります。

もちろん「戦術への不満」と受け取るのは飛躍でしょう。
ジャーメイン自身も、自分を含めて「点を取れるようにしないといけない」と話しています。

ただ、同じような展開が続く中、「何を変えればゴールにつながるのか」への迷いは感じます。

井上も、同点後について「ブロックを敷くのか、もう少し握っていくのかの判断や統一感がなかった」と振り返りました。

個人の質なのか。

攻撃の設計なのか。

ピッチ上の判断なのか。

おそらく一つではありません。

ただ、良い時間を作れるところまでは来ている。次に必要なのは、その時間をどう得点へ変えるかです。


敗戦の中にも、残ったもの

この試合の評価は難しいです。

開始早々の失点、大雨、前半の退場。

いくつもの「もしも」を言いたくなりますが、結果は1-3。

内容を含め、川崎が上回った試合だったと思います。

それでも、今季一番とも感じた攻撃のリズムがあり、10人になってからも同点まで持ち込みました。

一方で、3失点はいずれも自分たちのミスがきっかけ。

良い時間を作れても得点につながらず、ミスは失点につながる。

その差が、1-3という結果になって表れた試合でした。

リーグ戦は5試合勝利なし。

見え始めた変化を、次は結果につなげたいところです。


次戦に向けて

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