清水駅東口(ENEOS清水製油所跡地)の“合意書を近く取り交わす見通し”という報道に、SNSはお祭りムード。「やったー!スタジアムできる!」という声が目に入ります。
ただ、冷静に情報を読むと、現時点での進捗は“手続きの入口に立つ”段階です。
つまりスタジアムそのものが決定したわけではありません。
報道は「土地の利活用について合意書を交わし、撤去費や購入・賃貸などの“条件協議”を始める」趣旨で、合意書にスタジアムの明記は見込まれていない
——ここが今回の報道のポイントです。
まだ、何も進展していない「事実」

意外と誤解しがちなポイントをピックアップしました
合意は“土地の利活用”に関する協議開始の枠組みのみ

これは、「スタジアム建設の決定・着工合意ではない」ことを意味しています
合意書にスタジアムの文言は入らない見込み

つまり、“スタジアム整備まで合意した”と受け取ってしまうのは誤解で、ここが期待と現実が食い違う大きなポイントです!
費用負担などの核心は未決定

タンク撤去費、土地の購入か賃借か等は“これから協議”という段階です。スケジュールや整備手法も未提示のままです
最有力候補地の位置づけ=即決ではない

津波・液状化・土壌汚染・法制面など検討課題を整理した段階で、解の提示には至っていない状況です
それでも「期待できること」

今回の報道ではまだ何も「進展」の事実はありませんが、今までの報道から「期待できること」をまとめました
市とENEOSが正式に協議フェーズへ

書面で枠組みが整えば、机上から実務交渉へ——これは前進と言えるでしょう
難波市長は移設に前向きな姿勢

まちづくり全体の投資効果を重視していることが報じられています
候補地は“最有力”と明示されている

JR清水駅前・徒歩圏でアクセスは劇的に改善されます。既に課題整理や最終報告が公表済みで、議論の土台は厚くなっています
跡地活用の基盤整備は動いている

エネルギー拠点「ENEOS みらいコネクト」は既に開所を済ませております。地権者との連携関係が現に進んでいるのは追い風ですね
地元経済界から“早期整備を”の後押し

政治・行政以外の圧力が続くのは、意思決定の追い風になり得るでしょう
誤解されやすいポイント(Q&Aで一気読み)

”合意”とは、建設決定ということですか?

違います。交渉の俎上(そじょう)に正式に乗るだけです

いつ完成するんですか?

未定です。基本設計、財源、法手続き、環境対応、事業者選定など、まだまだ前段階です
これから数週間〜数カ月の「チェックリスト」

これからのチェックのポイントを5つにまとめました
- 合意書の中身:スタジアムに触れない前提で、協議範囲・進め方・マイルストーンは明記されるか。
- 撤去・土壌:タンク撤去や汚染対策の費用分担と工程。ここが詰まると全体が止まる。
- 用地の扱い:購入か賃借か。PPP/PFI※ の枠組み、命名権など収支設計の方向性。
- 防災・法令:津波・液状化への設計対応、都市計画・港湾関連手続き。
- 市・県・ENEOSの三者連携:役割分担と意思決定のスピード感。
※PFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)とは、公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るという考え方です。
※PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)とは、公民が連携して公共サービスの提供を行うスキームのことで、PFIは、PPPの代表的な手法の一つです。
まとめ

今回の報道は、「スタジアム決定」ではなく「協議開始の合意を結ぶ見通し」という話です

期待が先走る空気は理解できますが、いま必要なのは手続きの階段を一段ずつ上がらせる現実的な後押しです

そのための材料(最有力候補の明示、課題整理、行政トップの前向き姿勢、地元経済界の要望、地権者側の動き)は十分に揃いつつありますね

これからが本当の勝負です。まずは合意書の内容と次のマイルストーンを見極めていきましょう
出典(主要):
- テレしず(8/12)「利活用合意へ。合意書にスタジアム文言は入らない見込み」等。テレビ静岡
- 静岡朝日テレビ(8/11)「市とENEOSが近く合意書。条件協議へ」。LOOK 静岡朝日テレビ
- 静岡市「サッカースタジアムを活かしたまちづくり」および最終報告資料。静岡市+1
- ENEOS(6/2)「みらいコネクト」開所リリース。eneos.co.jp
- 朝日新聞「静岡の経済3団体が早期整備を要望」。朝日新聞
これからも、あなたが気になるエスパルス情報をまとめて、記事にしていきます。
また、見にきてくださいね。
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